【 前頭前野(前頭葉)の働き 】

○多重知能と前頭前野

人間の知能を測定しようという試みは古くからありましたが、それはIQなど知能の一部分であることがほとんどでした。

しかし人間の知能は一つの指標で測りきれるものではないのではないかという考えから

「知能は1つではなく複数ある」

という考えを中核にした「多重知能」という考え方が生まれたました。

前頭前野はその知能を発揮するために重要な役割を持っているのです。

 

 

○8つの知能とは?

人には誰でも複数の知能があり、長所やプロフィールがそれぞれにあるように、8つのなかでもそれぞれに得意・不得意分野があると考えられています。

 

 

・対人知能・・・他人の気持ちやモチベーションを見分ける知能

人と話したり、友人を作ることが好きで、人間関係における合図(声・表情・身振り)を効果的にキャッチして反応できる。

コミュニケーションの中から自分に必要なもの・合うものを見つけたり、自分を整理したりすることが得意で、行動や発言によって周囲を活性化させることもある。

 

 

・音楽・リズム知能・・・様々なメロディ・リズム・ピッチ・音質を認識したり作り出したり表現したりする知能

演奏や作曲・リズムを作り出す・表現することが得意。歌うことや演奏が好きで、言葉の高低やリズム、音の数に敏感。無意識のうちに抑揚やリズムかついたり、文章が自然と韻を踏んでいたりすることも多い。

 

 

 

・論理数学的知能・・・論理的なパターンや相互関係、命題(仮説や因果関係)抽象的な概念に対応できる知能

数字の意味をとらえて操作したり何かを明快に論証したりすることができる。計算・パターンをさぐる・明確な手順や目的、意図を持った実験が好きで人の話や事実を受け入れる時に「本当にそうなのか」「この場合はどうなるのか」などと考えることが得意。

 

 

 

・博物学的知能…身の回りにある様々な事象を認識し違いや共通点を見つける知能

自然現象だけでなく分類する視点を自ら作り出したり再分類することができる。自然や動物、地理や気象に興味があり、いろんな情報を自分で視点を決めて分類できる。

学んだことを日常生活に応用することも得意。

 

 

 

・視覚・空間的知能・・・空間やそこに含まれるものを的確に認識したりその認識を自由に転換できる知能

色・線・姿・形・距離などの要素それぞれにも、またそれらを複合的に組み合わせたものにも敏感に反応できる。

図や絵が得意で、図を見た瞬間に細部から全体まで映像としてとらえられ、情報を得ることができる。

 

 

 

・内省的知能・・・長所・短所に関わらず自分自身について正確に把握し、そのうえで行動できる知能

自分を尊重したり、律したり大切にすることで自分の行動スタイルを作ることができる。

周りにとらわれすぎずに自分を尊重しながら活動でき、興味が湧いたことには 自分から積極的に活動を進めることもあります。

 

 

 

・言語・語学知能・・・話をする、文章を書くなど言葉を効果的に使いこなす知能

文章を読む、書く、話をすることが好きで、動植物の名前や人の名前・地名・年号などを覚えるのが得意。人のちょっとした雑談の内容やエピソードなどもよく覚えていて驚かれることも多い。

 

 

 

・身体・運動知能・・・考えや気持ちを体で表したり、自分で作ったり、作り変えたりする知能

手先が器用で体を使って取り組むことが得意。一般的に運動神経がいい・手先が器用と言われることが多い。学んだことを実際にやってみることも得意。

※ハワード・ガードナー教授が提唱する8つの知能MI(マルチプル・インテリジェンス)参照