脳科学に裏付けられた“再決断療法”と“セルフリぺアレンティング”

トラウマ”にはネガティブな感情がくっついています。

ポジティブな感情を感じていたのであれば、トラウマにはならなかったはずです。

日常生活で起こる悩みやトラブルの中には、“トラウマ”が原因と考えられることが多くあります。

再決断療法”はトラウマになった場面を再現し、“新たに決断しなおす”という心理療法です。

例えば、幼少期に何か失敗したことで、それを誰かに強く責められた時、「自分はダメな人間だ…。」と、ネガティブな感情で受けとり、脳にトラウマとしてインプットされた場合、強く責められている場面を再現し、誰か(セラピスト)に守ってもらったという体験をしてもらいます。

守ってもらったことでポジティブな感情へと変化(再決断)するのです。

トラウマがある古い脳には、“時間の概念”がないので、“再決断療法”を体験した時点で、過去の感情もポジティブなものに変わることができます。

脳科学的にみると、入ってきた刺激が“古い脳”内の効果的でないルート(図:再決断前の回路図)に自動的に流れていたものを、“新しい脳”の前頭葉を通って問題解決に向かうルート(図:再決断後の回路図)を、新たに作り上げるプロセスが「再決断療法」と言えます。

セルフ-リぺアレンティング”は、自己再養育、“自分を再び育てなおす”心理療法です。

トラウマを負った年齢で心理的に止まっている自分(傷ついた小さな自分)を、成長した客観的な実年齢の自分が保護しながら、傷を癒し実年齢まで育てていくという考え方です。

今、何かがうまくいかない原因になっているのは、今の自分ではなく自分の中にいる傷ついた小さな自分であることを、分けて考えることが重要なのです。

“再決断療法”で作った効果的なルート(図:再決断後の回路図)を、効果的でないルート(図:再決断前の回路図)に流れないようにしていきます。

よい回路をさらに補強して自然に使えるようにするために行うのが“セルフ-リぺアレンティング”という心理療法なのです。

具体的には実年齢の自分と悩んでいる自分(トラウマを負った年齢で止まっている、自分の中の小さな自分)を分けることから始めます。

今まで生きてきた知識と経験と客観性を持った自分が、トラウマを持った小さな自分を守り、育てなおすのです。以下のことを気に留めながら、ゆっくり自分育てをしてみて下さい!

セルフリペアレンティングの進め方

・自分に厳しい言葉を自らかけていないか探してみる。

・周りの人とうまくやって行っている人が人にどう接しているかよく見てみる。

・自分を育ててくれた人がどうだったか、良いところ、悪いところどちらを取り入れているか見つけてみる。

・自分は本当はどうしたいのか、何をしたいのか、欲求を見つけてみる。

・それをかなえるために必要なのは…思い込みや偏見がないか?自分が変わればいいところは?

・自分の長所をたくさんあげてみる

・自分を幸せにするためにどうしていくか…自分との約束を決める

※約束も一気には果たせなくても大丈夫…小さな成功例から始める。成功を重ねていくと新しいことをすることに「安全」を感じます。

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