セカンドペアレンツ(第2の親)

セカンドペアレンツとは何か?
「自分にはもっと可能性があるはずなのに、なぜか前に進めない」 「意識では成功したいのに、いつも無意識が邪魔をする」
このギャップの原因は、幼少期に無意識に形成した「人生脚本」にあります。この脚本には、私たちが安全に生き延びるために下した、ネガティブな思い込みやトラウマが刻まれている可能性があります。
この状況を打破し、生まれながらに持っている自律し自己実現に向かう力 を最大限に発揮するために、脳の中に最高の自助体制を確立する必要があります。それが、セカンドペアレンツ(第2の親)という概念です。
セカンドペアレンツとは、あなたの脳の中に作っていく、理想的な「第2の親」です。
私たちは、子どもの頃、周囲の大人たちの行動や考え方を自分の中に取り込んで生きています。しかし、この取り込んだメッセージの中には、今のあなたにとって不必要で客観的でないものが含まれている可能性があります。
セカンドペアレンツは、これらの古い、非効果的な影響を乗り越え、あなたを守り、勇気づけ、後押ししてくれる、あなたの為の応援団の様な役割を担います。
なぜ「セカンドペアレンツ」が必要なのか?
私たちは、生まれた家庭の中で、育ててくれた人から教えてもらったことや、その言動、態度を良くも悪くも自分の中に取り込んで生きています。(心理学では、これを心の中に「親」の自我状態として取り込んでいると考えます。)
この取り込まれた「親」の教えやパターンの中には、私たちが自律して幸せな人生を送る上で不要になったもの(例えば、「子どもであるな」「常に人を喜ばせろ」といった非効果的なメッセージ)も含まれています。
もし、その内なる「親」が厳しすぎたり、十分な愛情を与えてくれなかったりする場合、私たちは常に自己否定に陥り、本来持っている潜在能力や力を発揮できなくなってしまいます。
人が持つ最高の欲求は自己実現(自分の能力や可能性を発揮し、より健全な自己を実現すること)であると言われています。この自己実現を達成するためには、過去のネガティブな影響を及ぼす要素を捨て、自分を支える新しい土台を脳の中に築く必要があるのです。
セカンドペアレンツの役割ー保護と許可の定着ー
セカンドペアレンツが確立されると、私たちは行動の基盤となる安全を確保し、自律的な成長を継続できるようになります。
人間は、子どもでも仕事上関わる人でも、十分な保護(安全)を感じることができなければ、いくら「ああしなさい・こうしろ」という許可をしても動くことはできません。
セカンドペアレンツは、この自分自身に対する「内なる保護と許可」をしっかりと根付かせる役割を果たします。
- 保護(安心・安全)の提供:古い脳は、変化や新しい行動を「危険」と認識し、抵抗します。セカンドペアレンツの存在は、その変化が危険ではないと古い脳に教え、「安全」であることを保証します。
- 許可(行動への推進力)の提供:「大丈夫、自分でできるよ」「見ていてあげるから自分でしてごらん」といったポジティブな許可によって、自律的に行動する力が育ちます。
セカンドペアレンツの最も重要な役割の一つは、幼少期に得られなかった、あるいは禁止されてしまった「許可されたことば」をあなた自身に与え、安心と安全を定着させることです。
「許可されたことば」の例には、以下のようなものが含まれます。
| 分類 | セカンドペアレンツからの許可のメッセージ例 |
| 存在と自己肯定 | 「生きていていい」、「私であっていい」、「ありのままの自分でいなさい」 |
| 成長と自由 | 「人として大きく成長しなさい」、「失敗しても間違っても大丈夫、勇気をもってやりなさい」 |
| 成功と価値 | 「あなたは成功していい人だよ」、「自分を大切に扱いなさい」、「重要な人になりなさい」 |
| 感情と欲求 | 「あなたが感じたことを大切にしなさい」、「幸せになっていいよ」 |
これらのメッセージは、過去にトラウマや思い込みとは正反対の、あなたの存在と可能性を肯定する力強い許可となります。
セカンドペアレンツを築くためには
セカンドペアレンツは、知識として知るだけでは脳内に定着しません。これは、自分自身の中にいる傷ついた「小さな自分」(古い脳)を、大人になった今の自分が客観的な視点から再び育て直すという具体的なプロセスが必要です。
この自己再養育(セルフ・リペアレンティング)こそが、セカンドペアレンツを脳内に作り、古い脚本を書き換えるための鍵となります。
セルフ・リペアレンティングを学び、自分自身に「保護と許可」を与えることで、あなたは自分の感情・思考・行動に責任を持った自律した人生 を歩み始めることができます。
セルフ・リペアレンティングの手法については、次の項で詳しく解説します。