カウンセリングの臨床例 事例2

I さんは子供が2人とも不登校というご相談でカウンセリングに来られました。

特別怒って育ててもいないし、自由に好きな事をさせてあげていたので、

一体何が悪かったのか全く思い当たらず、どうしたら良いのか

わからないといった状態でした。

カウンセリングを進めていくうちに、

心理的に夫にとても気を使っていて、

そっちに気を取られるあまりに、子供との十分なスキンシップや

愛情が不足していたことが原因とわかりました。

セラピスト 「ここに二人のお子さんがいると想像してください。

その横にあなたのご主人がいます。」

I さん 「はい・・・」

セラピスト「この天秤はご主人の方に傾いていますね。

何故でしょうか?」

I さん「・・・夫が怖い」

セラピスト「他には?」

I さん「私がいないと夫は駄目になる・・・」

I さんは子供には心配をかけないように、

不自由が無いようにと世話を焼いてきたつもりだったのですが、

肝心なものが足りていなかったのだと気づきました。

その後、ご主人に適応することをやめ、

子供に愛情を注ぐことによって子供達が学校に行き始めました。

それからお子さんの状態が落ち着いたことでしばらく様子を見るために

時間を置きました。

数年後、I さんとの久しぶりのカウンセリングで、

ご主人の元気がなくなっているとの報告を受けました。

I さんがご主人の精神的な面倒を見なくなったために

ご主人は落ち込んでしまったのです。

そこでご夫婦でカウンセリングを受けることを提案しました。

このご夫婦は精神的に子供なご主人が、

I さんを母親的な存在に扱うことで心理的均衡を保っていたのです。

セラピスト「あなたのご両親はどんな方でしたか?」

ご主人「何不自由なく育ててくれた立派な両親でした。」

セラピスト「よく褒めてくれたり、遊んでくれるご両親でしたか?」

ご主人「・・・そうですね、褒めてくれるというより

それで満足したら駄目だ、天狗になったら駄目だ、と

更に成長を望まれましたね。

そういえば、忙しい両親だったので、

必要な事以外はなかなか時間を割いてもらえなかったかなぁ・・・」

セラピスト「感情を伝え合うコミュニケーションはありましたか?」

ご主人「そういえば、あった事の話はしても、

それが悲しかったとか、怖かったとか、腹が立ったとかいう

話し方はしてなかったですねぇ。。」

セラピスト「そこですよ。

子供にとっては、出来たことを褒めてもらうことで

自己肯定を深めていくし、どう感じたかを受け入れてくれることが

何より嬉しいのですよ。

あなたはそこの関わりが少し足りなくて、

今も奥さんに求めているのかもしれませんね。」

その後、ご主人と I さんが成人した1人の男性・女性として自律していくように

カウンセリングを進めました。

ご家族全員がカウンセリングに対しての理解を持ち、

素晴らしい結果を迎えることが出来ました。